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全身性エリテマトーデスは英語でSystemic Lupus Erythematosusといい、その頭文字をとってSLEと呼ばれています。
SLEは、「膠原病」の代表的な病気のひとつです。膠原病は、全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症がみられる病気の総称で、SLEのほかには関節リウマチなどが知られています。
SLEは古くからある病気
Systemic Lupus Erythematosusをそのまま訳すと「全身性紅斑性狼瘡」となります。lupusはラテン語で狼の意味で、狼に咬まれた傷のように見える皮膚の紅斑がみられることから名づけられました。
橋本博史.全身性エリテマトーデス 臨床マニュアル.第2版増補.日本医事新報社.2014年11月
日本には、約6~10万人の患者さんがいるといわれています。
SLE患者さんのうち約9割が女性です。特に20~40代で発症することが多い傾向にありますが、最近はやや高齢化してきています。
子どもや高齢者では男女比に大きな差はありません。
難病情報センター( http://www.nanbyou.or.jp/entry/53 2023/1/17参照)
残念ながら今のところはその原因は分かっていません。
ただ、自分自身の体を、免疫系が攻撃してしまう病気であることはわかっています。
免疫系は本来細菌やウイルスなどから自分自身を守ってくれる大切な役割をしているのですが、この病気にかかると、免疫系が自分の体を攻撃するようになり、その結果、全身にさまざまな炎症を引き起こします。
免疫システムの異常が起きるメカニズムははっきりしていませんが、家族にSLE患者さんがいる人は、いない人よりも発症しやすいことが知られています。
しかし、いわゆる遺伝病ではなく、遺伝子が全く同じである一卵性双生児の2人が、ともにSLEを発症している割合は25~60%程度といわれています。遺伝要素だけで発症するものではなく、紫外線やウイルス感染などの環境要因も発症のきっかけになることが明らかになっています。
遺伝要因と環境要因が積み重なることで、発症しやすい状態になると考えられています。
難病情報センター( http://www.nanbyou.or.jp/entry/53 2023/1/17参照)
住田孝之.膠原病・リウマチ.改訂第3版.診断と治療社.2013年2月
SLEでは発熱や倦怠感のほか、皮膚炎や関節炎など全身にさまざまな症状が現れます。しかし個人差が大きく、症状の組み合わせ、現れる時期、強さなどは人によって異なります。
SLEは病気の経過のなかで、症状が再燃したり持続したりすることがあります。
この病気の勢いや強さを「疾患活動性」という言葉で表し、異常な免疫システムが身体を勢いよく攻撃して、全身に炎症を起こしているような時には、「疾患活動性が高い」と表現します。反対に、攻撃の勢いが弱く、症状が落ち着いている時は、「疾患活動性が低い」と表現します。
火に例えれば、前者は燃え盛っている状態、後者は炎の勢いがおさまり、小さくなっている状態です。SLEの病態は、この火が消えることなく、強まったり弱まったりを繰り返していくイメージです。
そのためSLEの治療は、この疾患活動性をできる限り低く抑えて、症状をコントロールすることを目指して行います。
NP-JP-BEL-WCNT-210001 2024.7